カンボジアの小学校の国定教科書にも、「食」に関する記載がある。それを前提としたコースウエアの作成に留意した。
カンボジアの小学校教科書の食育について |
とはっても、これはVDTOに限らずカンボジアの学校文化・教師文化に由来することなのだが、食事に対する「規則」や」法則」に力点が置かれてしまい、先ず自分が普段食べているものと自分の成長との関係を客観的に理解するまでに至らなかったことが最大の反省点といえる。
先生による特別授業 |
また、成長に不可欠な3大栄養素と、カンボジアの伝統的な食材や料理との分類が事前準備の不十分さから不明確になってしまったことなどもこんごの課題として挙げられる。
これらの問題点はさておき、子どもたちは初めての授業に大はしゃぎで、普段とは違うディスカッション型の授業を大いに楽しんでくれていた。なによりもグループごとについてくれたツアー参加者の存在が、彼らの励みになっていたことも間違いない。
他方でこれらの「食育」意識が今後どのように日常として定着していくのか、については上述以外にも様々な問題がある。
今回の特別授業の一環として用意したお弁当は、現地の業者と相談しバランスの取れた副食や主食にしたが、1個当たりのコストが4ドル以上となり、この地域の子どもたちが日常的に食べることができない価格となってしまった。子どもたちと家庭に負担のない価格で提供可能な食の創造は、今後の最大の課題である。
当日のお弁当
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またカンボジアの既存の学校文化との接合をどのように工夫していくのか、については、今後さらに検証していく必要があるだろう。
今回参加した子どもたちには、身長体重を定期的に計測する「身体検査」を提案し、それをデータ化して分析することとしている。身体検査のデータの問い扱いについては慎重にするよう先生たちにも要請しているが、そもそも身体検査が本質的にもつ「標準性」への従属が過度に強調されないようにする配慮も必要であろう。
食べることは決してとまることのない毎日の所作である。だからこそ、今回の特別授業も継続していくことに大きな意味がある。一過性のイベントに終わらないよう、 食べることと自分の成長との関係を子どもたちそして親・教師たちがどのように主体化していくのか、これからの継続的活動にかかっている。
当日協力していたいだいたツアー参加者からは、食育と学校行事を組み合わせたイベントをやってはどうか、という提案もいただいた。また
田植えや農村見学などと合わせた、食べることへの意識を高める行事や、子ども達自身が実際に食材を調達し、料理を手掛けてみるような調理遠足などの実施も検討していきたい。
グループディスカッションの結果プレゼン |
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